合図燈・4月号

JRは「廃線・バス転換ありきではない」としながらも赤字路線を公表したが、沿線自治体や地域住民はその言葉を額面通りに受け止めているのか◆あるテレビディレクター曰く「電車が走るシーンはそれだけで絵になる。実際に使うかどうかは別にして必ず撮っておく」。鉄道は良くも悪くも様々な人を惹きつけるだけでなく、交通網が脆弱な地方では鉄道が無くなると更に過疎化が進み死活問題だ◆国鉄末期には住民の足として重要だった路線でも採算を理由に相次いで廃止となった。「JRになってローカル線は守られる」と盛んに宣伝し民営化を強行したが実態はその逆だ◆「青春18きっぷ」のポスターは地方の郷愁を誘うような物が多いが「維持が難しい」とする路線の風景を商品宣伝に使うのは都合がよすぎる。産業発展のためだけでなく政治家の都合で鉄道が敷かれた地方には人々の暮らしがある。それを支えるのは国鉄時代から変わってはいないはずだ(弘)