団 交 情 報 № 808 「国労千交第5号」

申入日:2021.4.22
団交日:2021.5.26

営業関係「コスト削減」施策に対する団交開催

1.2.3.4.5.7の項目

1.自動券売機の削減について。
2.自動改札機の一部稼働停止について。
3.ホーム等に設置されている「JR時計」の廃止について。
4.警備員の固定・巡回警備の見直しについて。
5.各種駅設備の定期点検の見直しについて。
7.乗降終了合図」業務の今後について。

【文書回答】お客様のご利用状況等を勘案し、決定していく考えである。

(組合)自動券売機の削減状況は。
(会社)多機能103台中15~20台、多機能以外130台中20台程度、チャージ機90台中5台程度。
(組合)駅の詳細と台数は。
(会社)本八幡・西船橋から千葉までで各1台。東松戸から二俣新町等の京葉線と土気・大網・本納・五井で各1台。木更津、佐貫、安食、2ビルで1台これらが多機能券売機を対象に23駅である。
(組合)削減の判断ベースがあるのか。
(会社)本社ベースがあり、支社として判断した。
(組合)上部は複数ある中での1台削減であるが他は1台中の1台である。どうなのか。
(会社)設置したけれど売れていない。多機能で定期の購入を見込んでいたが、定期が少なく見直した。
(組合)売れないから他の駅で買ってもらっている。売れないから他の駅へ行けはサービス低下である。
(会社)買う人がいるから置いたが、ほぼ売れていないところもあった。
(組合)会社が買わなくても乗れる環境を作ったと考えるが。以東線区はキセルも多い。乗車マナーが低下している。それで買わないから置かないではさらに助長する。改めるべきである。
(会社)キセル対策なども実施している。

(組合)ランニングコストを下げるためか。
(会社)黒字化に向けたものでもあるが、利用状況を見ての判断である。アフターコロナでも以前の様な状況には戻らないと判断し施策を打った。
(組合)収束して元に戻れば戻すのか。
(会社)ICも増えている。チャージ機の方が良いのではとも考える。一概に戻すとは言えない。駅によっては機種を変更する箇所もある。
(組合)台数を減らすことで作業ダイヤの変更もあり苦労している。考えてもらいたい。
(会社)理解はする。ただ固定費が高く、同じままでは収益は上がらない。改めて見直していこうで、利用状況や券売機の稼働状況をみて判断した。
(組合)最終的には撤去するのか。
(会社)撤去する。撤去後の空スペースの活用については現時点では考えていない。
(組合)舞浜でも数台撤去となる様だが、本当に大丈夫なのか。我々は収束後の心配をしている。撤去した後に再度入れるのは難しいと考える。
(会社)戻った時の不安の声があるのも事実である。混雑となればあらためて設置することもある。
(組合)現場ではお客様からのクレームなど苦労している。現場にも説明が無いから混乱する。お客様への周知の徹底と現場へのフォローをお願いしたい。

(組合)自動改札機の一時停止している台数は。
(会社)580台中60台程度、簡易改札は170台中15台程度停止している。5通路以上が対象である。
(組合)通学・通勤時間帯が密となっている。朝・夕だけでも稼働させることは出来ないのか。
(会社)現在は出来ない。利用状況や通過人員を見ている。現在は7割~8割であり、日中は減っている。
(組合)テレワークと言うが朝はほとんど変わらない。
(会社)一時停止であり、撤去の予定はない。
(組合)簡易改札はどこか。
(会社)榎戸や横芝、八日市場などである。2台ある中の1台を停止している。
(組合)現在各駅で工夫して侵入防止対策をしているが、今後の予定は。
(会社)侵入防止策も考えている。通行止めのクサリなども考えている。
(組合)どの様な物か分からないが大丈夫なのか。安全が損なわれる物では困る。
(会社)もちろん安全性も考えていく。
(組合)この施策にしても現場が苦情を頂く。現場への配慮・フォローが無い。現場の声をきちっと聞いてほしい。
(会社)現場と議論していく。

(組合)JR時計が撤去されると聞いているが事実なのか。意図・根拠は何か。
(会社)時計の撤去の話はある。コロナで生活様式の変化や経費削減、設備のスリム化でも上がっている。
(組合)時計にどれ位お金かかかっているのか。発車標の間にあり、時計を見て何分後に来るかを確認するなど日常の風景である。
(会社)JR時計にも単独式や電波式、アナログ式など種類がある。また事務室だったり、会議室だったり数多くある。全てという訳ではないと思う。
(組合)千葉駅が改装された時に時計が無いとして新たに設けられた。駅の時計は特別な存在が定着している。仮にホームの時計を撤去となればJRはそこまでやるかとなると思う。
(会社)・・・
(組合)事務室や会議室の時計は現場で不要の判断で撤去は理解するが、お客様が使用する時計については撤去すべきではない。営業部としてこれだけは譲れないと訴えて欲しい。
(会社)伝えることは伝える。

(組合)声かけサポート警備員が今年度からいなくなったが、経費削減策か。
(会社)2017年から西船橋・船橋・千葉・新木場に配置していた。たしかに今年度全て廃止した。経費削減との考え方ではなく、声かけサポートの拡大や作業ダイヤの柔軟化等で社員による対応が可能となったため廃止した。
(組合)兼掌窓の方がコンコースなども目配りをして対応することも可能かと思っていたが、最近では兼掌窓の無配置化なども進み、声を掛けること自体不可能な状況が作られている。また企画業務として事務室に入ってしまっては勿論不可能と考えるが。
(会社)企画業務より、声かけサポートを優先する様に現場には言っている。
(組合)社員等に対する暴力のための見守り警備も行っているがどこの駅にいるのか。
(会社)千葉・蘇我・西船橋・津田沼にいる。
(組合)今年度もいるのか。
(会社)今も契約している。
(組合)声掛けサポート警備員は契約を打ち切り、暴力に関わる警備員が残っていることはサービスとしていかがなものか。利用者としては身体に障がいをお持ちの方や不慣れな方への声かけが優先されるべきと考えるが。
(会社)どちらも大切なことである。
(組合)声かけサポートの始まりは蕨での事象からである。対策が終わらない中辞めて、社員まかせにする。
    その社員も事務室から片手間にモニターを見ているではサポートとは言えないと考えるが。
(会社)利用状況の低下もあるがたしかに課題ではある。ホームドアの設置やCPラインなども進めている。引き続き設備面を充実させてゆきたい。
(組合)最後は人に頼ることになる。
(組合)駅設備の定期点検等の見直しは。
(会社)各種機能強化等により、周期を見直す物もある。ただ法律で定められている物に対しては法律に従って行っていく。また夜間行っていたものを日中やるなど工夫もしている。
(組合)どの様な設備が対象になるのか。
(会社)設備の数が多いので別途お知らせしたい。
(組合)保全には予防保全と事後保全がある。壊れないように手を加えて設備の維持を図るものと、壊れてから直すという手法である。駅設備はどちらか。
(会社)設備によるが、壊れてから対応する物もある。複数あるもので1つ壊れても対応できるものが対象となる。
(組合)販売機器は変わるのか。
(会社)変わらない。
(組合)設備によるが、現場が苦労することになる。考えてもらいたい。

(組合)乗降終了合図の省略については。
(会社)運輸と相談して決めた。
(組合)以前も乗降終了合図の省略があったが、乗務員から不安の声や安全の担保が無いとの声を聞いている。
(会社)運輸と相談した。また他支社にも話をしている。
    テンポは今まで通りであるし、要請があれば行う。
(組合)急遽出てくれと言われても対応できない。安全の担保のため、賛成はできない。時間を短くするとかは検討できるが、廃止は違う。
(会社)何かあれば社員も行く。駆けつけできる要員は配置する。やっては見るが要請が多ければ止める事もある。

6.「マルス端末の設置がない駅における旅客の特殊取扱」の見直しについて。

【文書回答】関係通達等に則り取り扱うこととなる

(組合) 4月20日に文章を出して5月1日からとなっているが、簡単な中身ではない。やり方が乱暴である。みどり窓口が無い駅は軽減されるが、みどりの窓口の仕事が増えることを危惧する。
(会社)みどりの窓口の仕事が増えるのは事実である。
(組合)営業時間が短縮され、やる事が多くなっている。MVでやれることを増やすべきである。
(会社)本社には言っている。
(組合)販売は機械で出来るが、変更が出来ない。結果みどりの窓口行くことになる。
(会社)話せる券売機はリモートで出来るが。
(組合)今回の目的は。
(会社)全社的に統一した。買いに行くと言って乗っていくパターンも報告されている。
(組合)不正が多いのか。
(会社)数は分からないがある。
(組合)「みどりの窓口のある駅へ行ってください」は会社施策。利用者目線で対応できないのか。従来は乗車券を渡しますから行ってください。それが、今度は自分で買って行って下さい。となる。納得されると思いますか。ましてや18時で終わってしまう。制約のあるルールである。
(会社)23時までマルスで販売させるとの声もあった。今がベストだとは思っていない。

8.その他、経費削減を目的とした施策についても説明すること。


【文書回答】お客さまのご利用状況等の経営環境の変化を踏まえ、決定していく考えである。

(組合)駅の時刻表が5冊から1冊になった。仕方ないからお客さま用とした。どう考えても2冊は必要だと考えるが。
(会社)お客さまは利用していますか。
(組合)利用している。
(会社)社員はタブレットでも見る事が出来る。
(組合)案内するときにタブレットでは案内できない。JESSの駅ではゼロと聞いている。時刻表はJRの商品が出ている。カタログの様なものである。
(会社)見てる人はいないと報告されている。タブレットの活用が多いと聞いている。
(組合)販売促進用も無い。時刻表は各駅に1冊は配布すべき。タブレットでの案内は不親切である。

あとがき

会社は2年連続の赤字だけは避けるとして黒字化に向けた施策を次々と行っている。
経費削減として「自動券売機」「自動改札機」の使用停止駅のスリム化と称して設備の見直しも推し進めている。
検査体制の変更や検査周期の延伸、予防保全から事後保全となり、正常に稼働するまでに時間が掛かり、不都合を味わうのは利用者である。
切符を買うのにも列が出来、自動改札を抜けるにも列が出来ている。コロナ禍、非常事態宣言が発令されている中、朝・夕のコンコースは「密密」である。
先だって政府・東京都から列車の減便が打診され減便したが、逆に「密」になっているとの指摘で通常に戻した経緯もある。
声かけサポート警備員も廃止し、遠隔による兼掌窓も無配置化とした。誰が困るのかまったく理解していない。「聞きたい」を無視した施策である。
「人ならでは」や「人を起点とした」と謳っているが、機械にできない・人だから出来ることを積極的に行うべきだ。
「変革2027」は人口減少による利用者の減少と労働人口の減少で収入が落ち込む鉄道事業に代わり鉄道事業も維持しつつ新たな事業も展開し、さらなる発展を標榜した施策であると思っている。


以上