団交情報 № 811 <国労千交第6号 >

新型コロナウィルス感染対策における団体交渉開催!

申入日:2021.4.28 団交日:2021.9. 6  

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1.社員が感染の疑いのある症状で病院へ行く時の勤務はどの様な扱いになるのか明らかにすること。

2.社員がPCR検査を受け、結果が出るまで自宅待機になると思うがその時はどの様な扱いになるのか明らかにすること。

3.社員が陽性と判断された後の勤務はどの様な扱いになるのか明らかにすること。

4.社員が濃厚接触者と認定され、病院での検査・判定結果が出るまで自宅待機となるが、その時はどの様な扱いになるのか明らかにすること。

【文書回答】勤務の取り扱いについては、就業規則等に則り取り扱っているところである。

(組合)昨年も交渉したが、ケースバイケースなど具体的ではなく社員に安心を与える回答ではなかった。日々不安の中働いている社員に対し、基本的な会社の考え方を明らかにして、安心につなげたいと考えている。文書回答はあまりにも固い回答である。議論の中から安心できる回答を期待したい。

(会社)確かに今でもケースバイケースの部分はある。しかし基本はある。感染経路や感染状況などもある。

[1項について]

(組合)具体的に社員が感染と思われる症状で病院に行くことになるが、その時の勤務はどの様になるのか。

(会社)熱があるなど症状があって病院に行く場合は私傷病扱いであり、年休や病気の扱いとなる。

(組合)病気で病院に行くと同じ対応ということか。

(会社)そうである。

(組合)コロナの発熱と思い病院へ行くも自分の休みで行くのか。

(会社)症状があり、病院に行くは労務提供ができないことから自分の時間である。

[2項について] 

(組合)PCR検査等を受け、結果が出るまで、出勤は出来ないと思うが、その時の考え方は。

(会社)検査を受けて検査結果が出るまでは出勤させないが、体調が悪ければ年休や病気、体調が良ければテレワークや免除となる。体調が悪ければ労務提供が出来ないと判断している。

[3項について]

(組合)社員が陽性と判定された場合の扱いは。

(会社)陽性判定だとしても体調次第であり、悪ければ年休や病気、体調が良ければテレワークまたは免除としている。

[4項について]

(組合)社員が濃厚接触者と判定された場合の扱いは。

(会社)同様に社員の体調である。熱がある、症状があれば労務提供ができないと判断し年休等となる。労務提供ができるか出来ないかで判断する。

5.職場で感染者が出た場合の対処を具体的に明らかにすること。

【文書回答】感染に関する対処については、保健所の指導等に従うとともに、相談をしながら適切に対応しているところである。

(組合)職場で陽性者が出た場合に保健所は来るのか。

(会社)以前は着ていたが、今は来ない。保健所のヒアリングを受けることになる。

(組合)保健所のヒアリングに対応するのは現場長か。

(会社)現場長等が行うが支社からも行く。

(組合)職場等の消毒をしているが、自分たちで行うことが基本なのか。消毒会社に依頼することも可能なのか。

(会社)基本は自分たちで行い、保健所に報告する。大きい職場などは複数回消毒している。 

(組合)保健所の濃厚接触者の定義が分からない。

(会社)最初はマスクをしていれば濃厚接触者ではなかったが、今はマスクをしていても、対面時間や新たな基準があり、変わっている。保健所の指定なので、我々にも分からない。

(組合)職場で陽性者が出ると自分も感染しているのでは家族にも感染させてしまうのではと不安になる。希望者にPCR検査や抗体検査を受けさせることはできないのか。また検診センターなども活用できないのか。

(組合)支社独自で判断することはできない。

(組合)都内の職場でクラスターが発生したが千葉支社内で発生した場合どうするのか。

(会社)3徹を2徹にするとか支社等から助勤に行くなど考えなければならない。具体的なシナリオは無いが作業削減や応援など対策を考える必要はある。

6.職場にマスク、消毒液などの補填を行い、拡大防止を指導すること。また希望する者には、手袋・フェイスシールド等も支給すること。

7.千葉支社危機管理本部から千指第188号が出され、今まで以上に感染防止が呼びかけられているが、現業では従来と変わらず、対策がなされていないと報告されている。感染予防を図る上でも業務に必要な要員以外はテレワーク・自宅待機とし、感染予防を徹底すること。 

【文書回答】新型コロナウィルス感染症の対策等については、必要な対策を実施してきており、今後も感染防止に向けて取り組んでいく考えである。

[6項について]

(組合)昨年はマスク不足もあり、枚数制限なども職場によっては報告された。具体的な報告は無いが職場にキチット配布されているという認識で良いか。

(会社)マスク・石鹸は現場調達、ペーパータオル・消毒液は支社で対応している。

(組合)フェイスシールドは希望者に配布されるのか。

(会社)運輸職場と営業職場に配布した。ただあまり活用されていない。飛沫は飛ばさないが感染予防という観点からは疑問がある。

(組合)手袋の配布は。

(会社)汚物処理用は各駅に配布しているが、乗務員用の白手袋は配布していない。

(組合)現場からお金を貰うのが嫌だとの声も聞いている。

(会社)手袋を貸与する予定はない。お客様がどう思うかということもある。

(組合)ノロウィルスの時に簡易キットが配備され、嘔吐物処理の時に使用したが、コロナに対応するその様なものは無いのか。

(会社)コロナ対応キットは無いが検討も必要かと思う。

(組合)急病人対応などで、体温を測るが不用意に接してしまうこともある。対策をお願いしたい。

[7項について]

(組合)危機管理本部から、感染拡大を防ぐ対策等が追加され、「飲み会はやめろ」など勤務時間外の活動も制限され、予防に向けた指示が出されているが、現場では従来通りのマスクと消毒の対策のままである。テレワークや在宅勤務すら行わない職場もある。政府からも出勤を減らすよう呼び掛けられているが支社として現場に対し感染予防に向けた指導等は行わないのか。

(会社)乗務員は予備行路の方を、駅でも日勤の方を自宅待機にしていると聞いている。

(組合)設備系が行っていない。職場が密で感染のリスクが高いと報告されている。

(会社)業務に必要な要員の確保が前提であり、系統によって違う。現場長の判断である。

(組合)窓口営業時間の縮小や自動券売機の削減でと列になっている。また4両編成だった物をワンマン2両にしたことで100%の乗車率になっている実態もある。コロナ感染対策に逆行する行いである。

(会社)お客様の声も聞くが、以前の様な利用率になれば戻すこともあるが、利用状況をみて判断している。

(組合)利用者が不便になっているし、不安を与えることになる。自動券売機や改札の縮小は他支社では聞いていない。千葉独自の取り組みか。

(会社)他支社にも広まっていると聞いているが確認する。

(組合)「安全・安心」のためにも新たな密を作るような施策はやるべきではない。

8.千葉支社内においても度々感染者が出ているが職場によっては公表されない実態も報告されている。感染を隠すのではなく、身近に感染のリスクがあるという注意喚起として公表すること。

【文書回答】新型コロナウィルスの感染に関する情報については、個人情報を踏まえ、感染拡大防止に必要な情報を提供しているところである。

(組合)支社内の感染情報も出るものと出ないものがあると現場から報告されている。またグループ会社においても同じであるが、出す・出さないの判断があるのか。

(会社)危機管理本部では全て把握している。出す・出さないは現場長等の判断になる。

(組合)現場で知る数と実態は違うでは危機管理の仕方が変わってしまう。こんなに出ているなら本当に気を付けようとなると思うが。

(会社)個人情報もあり、個人が特定される様な場合は公表しない時もある。

(組合)千葉支社ではどれくらい出ているのか。

(会社)3桁はいっていない。ただ言えるのは本部から追加等で出している「自粛して下さい」例えば飲食を伴う会議や親睦会・レクなどはその背景にその様な中で発生しているから自粛を呼び掛けている。

(組合)個人が特定されることは避けるべきだが、公表しない=隠していると思われる。事実を伝えて注意喚起につなげることも必要だと考える。

(会社)引き続き社員の皆様へやメッセージとして伝えていきたい。

9.JESS支店では感染者が出たが現場周知しないばかりか、他の濃厚接触者の個人情報を流失させるという事象も発生させながら注意喚起すら周知しない。不都合事案は公表しないと現場から報告されている。エルダー社員も多く、またグループ会社であることからJRから強く指導すること。

【文書回答】新型コロナウィルス感染症については、業務委託会社とも連携を図り、感染拡大防止に向けた対応を行っているところである。

(組合)指名・住所等の個人情報を流したという事象は知っているのか。

(会社)事象は確認した。ファイルにパスワードを付ける対策を行ったと聞いている。

(組合)この事象もある現場から「どうなっているのか」と知らされ問題にしたが、その様な認識すら無かったということである。それなりの地位があった人が行っている会社だから言いずらいとは思うが、指導をお願いしたい。

(会社)別会社なので指導はできないが、注意喚起はしていく。

(組合)支社内で感染予防について具体的に実施していることは何かあるのか。

(会社)支社内のフリーアドレスを止めた。また食堂にパーテションを付けるなども行っている。また会議などもwebでの開催を増やしている。

(組合)定例訓練や乗務訓練などは。

(会社)回数は多くなるが人数を減らしたり、分散して行っている。

(組合)JESSではブロック勉強会など定例的に勉強会が行われているが、受託と言うことでやらざる得ない。何とかならないのか。

(会社)大人数を集めるのではなく、やり方も含め検討課題ではある。

(組合)サービス会議なども行っているが、千葉に集められる。感染リスクがあるため、行きたくないとして年休を申し込んだら時季変更が言われたとの報告もある。

(会社)やらなければならない物もあると思うが、出来る条件を作ることが必要。人数を絞ってとか、少数で回数を増やすとか工夫も必要である。

 最後に感染予防もそうだが、「安全・安心」を維持・拡大するのは会社だけでは出来ないことである。そこには「労使」が共同して取り組む必要がある。会社の取り組みに不備があれば指摘する。改善への要求もする。「変革2027」で「人ならではのサービス」が語られているが兼掌窓口もカーテンが引かれ、駅係員を目にすることも無い状況が作られようとしている。「黒字化」を目標としてなりふり構わぬ「経費削減」が行われている。不便を強いるのは利用者である。JR東はコマーシャルで綺麗な駅・綺麗な電車をアピールしている一方で、券売機・改札機の縮小、4両から2両に置き換え密を作り出している。隣の職場で昨年入社した方2人が退職したと先日聞いた。夢を持って入社したであろう若者が2年も経たずに退職する道を選んだのは訳があるはずである。夢を持てない会社・利用者からの信頼を損なう施策を行い続ければ未来はない。ある若い子が○○社長にはキングボンビーがついている。と表現して驚いた。そして笑った。利用者から感謝され、若者が楽しそうに仕事ができ、夢を持てる会社に向け奮闘することが労働組合の役割でもある。

以  上