「地域公共交通対策委員会」の設置について

2019年12月発表

 JRという鉄道会社は、公共交通機関であり安全・安定輸送を含めた利用者サービスという観点からも営利だけを追い求める経営であってはなりません。また現在日本社会は超高齢化社会をむかえています。交通事故の多発が自動車運転免許の自主返納などが推奨されるに至っている。観光目的ではなく、働くためや勉学、買い物や通院も含めた生きていく上での「移動の手段」をどうするのかという社会的課題に公共交通が赤字であることの理由をもって廃止や他の交通機関に変えていくことで解決したかのような施策には疑問だ。

 毎年、実施されているJRの「ダイヤ改正」で、千葉以東の路線においては列車本数の削減が著しく、「朝一番の特急列車の削減で都内に通勤が困難となり若年退職した」、「夕方の列車が削減され、子供の塾通いのために塾の近くに転居した」などの利用者の声もある中、内房線・外房線においては「ワンマン運転の実施」なども検討されている。特に、内房線などは特急列車の削減にはじまり、館山までの直通運転の廃止、通勤・通学時間帯の列車本数の削減が急速に進められ、交通政策基本法の理念である「地域の活性化や交通の利便性の向上」と言った考えは微塵も感じられないのが実態となっています。日本のどこに住もうが法の趣旨のもと「豊かに生活する義務」を全うするためにも、この交通政策基本法(リンク先:国土交通省ホームページ)の趣旨をJR会社にもしっかりと順守させる事が重要だと考える。

国労千葉地方本部では、「ダイヤ改正」のたびに削減される千葉以東線区の列車本数、拡大するグループ会社への駅委託化・日勤化や無人化、慢性的に混雑している総武線や武蔵野線の通勤・通学時の混雑緩和対策、バリアフリー設備をはじめとする駅設備の整備、ホームの安全対策などについて議論し、その対策を検討してきました。また今後予想される「内房線・外房線・鹿島線へのワンマン運転導入」施策に対し、その施策撤回に向けた具体的な議論や取り組みを進めています。

私たちは「JRのダイヤ改正で列車本数の削減や駅の無人化を許さず、地域住民の足、通勤・通学の足を守るために私たちと共にこの運動を取り組もう」と県内の各政党・主要な労働組合、障がい者団体を訪問し、運動の趣旨を訴えながら協力を要請してきました。政党からは「署名や集会等具体的に共同で取り組みたい」、また「要請に賛同し共同行動に参画したい」「一緒に大衆行動を取り組もう」などの積極的な声が寄せられています。県内の主要な労働組合からも「公共交通のあり方、高齢者の足の確保など問題認識は共通している」「子供たちの部活帰りの列車削減などで困惑している声は聴いている。取り組みやすい体制をつくるためにも協力したい」など好意的な意見が寄せられる中、具体的に各地区・各線区ごとの打ち合わせ会議を行い、それぞれの地区の特徴を生かした運動を検討・取り組みの強化を進めています。また、障がい者団体との意見交換で出された「意見・要望」をもとにJR千葉支社に対し、要求を申し入れ団体交渉を開催しその実現に向け取り組みを強化してきました。

 千葉以西、東京方面については慢性的に混雑している総武線や武蔵野線の混雑緩和対策、みどりの窓口の相次ぐ閉鎖、びゅうプラザ(旅行センター)の閉鎖など、その施策は言うまでもなく利用者サービスの低下に他なりません。駅の業務をグループ会社に委託するに留まらず、日本郵政との業務提携で駅業務委託も始まっている。十万人単位で乗車するような駅でさえ、深夜早朝は一人勤務や無人時間帯もあるなど労働強化と車椅子利用者は事前連絡しないと電車に乗ることができないなどのサービス低下が強まっています。