大 会 宣 言 


国鉄労働組合は七月一五日~一六日、新橋交通ビルにおいて第九〇回定期全国大会を開催した。 
新型コロナ感染症がいまだ終息しない中、代議員や構成員の命と健康を守るため、リモートを併用しながらの開催とすることを余儀なくされたが、大会では、一年間の闘いの総括と組織強化・拡大を運動の柱に据えながら、JRの安全・安定輸送の確立、JRおよびグループ会社を含む非正規労働者の正社員化と処遇改善、合理化反対、原発再稼働反対、辺野古新基地建設反対、そして二○二二年春闘の勝利に向けて、全力をあげて闘い抜く決意を固め合いながら向こう一年の方針を確立した。 さらに二〇一二年から取り組んできた「闘争指令第一号」の総括を行いながら、来年の「五年ビジョン」の中間総括に向け、これからの国労を担う世代に運動と組織・財政を継承・発展させるために、組織が一丸となって議論と意思統一を深めていく重要性について、満場一致で認識を共有することができた。 六月一六日に第二〇四通常国会が閉会した。コロナ禍におけるワクチン接種や休業補償など喫緊の国民的課題が山積する情勢のもと、野党は三ヵ月の会期延長を要求したが、与党はこれを拒否、内閣不信任案が提出され、それを否決した上での閉会となった。今国会では、菅政権の新型コロナウイルス対策への遅れに批判が噴出したにもかかわらず、国会では十分な審議が行われないまま、強権的な国会運営により、改憲のための「改正国民投票法」や基地や原発などの周辺一㎞圏内について、国が利用を規制できるとする「重要土地調査規制法案」など稀代の悪法が相次いで可決・成立した。また、政治と金をめぐる一連の不祥事や菅首相の長男が関与した総務省に対する不透明な違法接待、日本学術会議会員の任命拒否問題など何一つ真相は明らかにされず、七月に入ってからは、変異ウイルスによる感染の再拡大によって四度目となる「緊急事態宣言」が東京・沖縄に発令・再延長され、医療提供体制のひっ迫が懸念される危機的状況にありながら、解散総選挙を前に政権浮上を目論む菅首相の政治的思惑によって七月の東京オリンピック、そして八月のパラリンピック開催へと大きく舵が切られた。 こうしたなか、七月四日に施行された東京都議会選挙では、自民・公明は過半数に届かず、立憲野党が議席を増やす結果となった。一〇月までに行われる衆議院選挙では立憲野党が結束し、何としても政権与党を過半数割れに追い込むことがきわめて重要となる。 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から十年四カ月が経過したが、地下汚染水対策、溶融燃料の取り出しなどどれをとっても対策は進んでおらず、「核のゴミ」の処理問題もことごとく見通しが立っていない。被災地では住宅の再建が進んでいるが、多くの住民がそこに帰還できず、依然として避難生活を余儀なくされ、人口減少や高齢化など追い打ちをかけるように地域社会の切迫した課題が山積している。そうしたなか、政府は、四月一三日、トリチウムなど放射性物質を含む百万トン以上の処理済みの汚染水を、地元からは周辺海域の水産物に対する「風評被害」が懸念されている福島県沖の太平洋に放出する計画を強引に承認した。私たちは、原発再稼働阻止、再生可能エネルギーへの政策転換と脱原発社会の実現を求め、引き続き、平和フォーラムをはじめ、あらゆる団体と連携を図りながら全国的な運動を強化していく。 福知山線及び羽越本線での脱線事故から一六年目を迎えた。今日に至るも、事故の教訓が生かされずJR各社において重大なインシデントやトラブルなどが後を絶たない。一歩間違えれば、大事故に繋がりかねないこうした事象や労災事故はJR及びグループ会社でも発生しており、文字通り、安全輸送の確立と信頼回復は待ったなしの課題である。国労は鉄道輸送業務に携わる労働組合として、JRの社会的責任の履行やコンプライアンス遵守のため検証を間断なく行い、団体交渉の強化をはじめとする事故防止対策をさらに強化しなければならない。そのためにも利用者や地域の視点に立ちながら、交運労協に結集する他産別やすべての交通・運輸労働者の仲間との共闘。連帯を深め、「誰もが安心。安全に働ける職場づくり」をめざした取り組みを進めていかなければならない。 JR各社は、二〇二〇年度決算において貨物会社を除く全ての旅客会社でいずれも過去最高の「赤字」を計上し、定期昇給もJR東日本で減給とされるなど厳しい結果となったが、夏季手当についても昨年度実績から大きく後退し、生活に困窮する組合員・家族からは不満と怒りの声があがっている。また、コロナ禍を背景にグループ会社への労働条件悪化に拍車がかかることが危惧されており、JR・グループ会社に共通する契約社員の雇い止めの解消や正社員化の実現は喫緊の課題である。私たちは引き続き、希望する契約社員の「正社員化」を求める取り組みを重点課題として位置づけ、「同一労働同一賃金」への底上げで真の働き方改革を実現させるべく格差是正に向けて全力をあげる決意である。 国労は、第八一回定期大会で、組織強化拡大を喫緊の課題として全国統一行動に決起することを確認し、「闘争指令第一号」に基づき、八年半にわたり、組織拡大運動に全力をあげて取り組んできた。その教訓を糧に全国で築き上げてきた拡大の条件を結実させるべく、さらに不退転の決意で組織拡大に取り組むことが求められている。国労は、結成から七五年の長い歴史と伝統を持つJRおよびグループ会社の産別組織として、その豊かな経験と実績に一段と磨きをかけながら、職場での労働条件や待遇改善に向けた日常からの地道な運動の積み重ねにより、若い世代にアピールできる国労運動の構築をめざし、全組織が一丸となって最重要課題である組織強化・拡大に向け、全力をあげる決意である。
 右、宣言する。 
二〇二一年七月一六日
 国鉄労働組合第九〇回定期全国大会 

 菅政権打倒、総選挙に勝利し、憲法改悪を許さず、 国民の生命と健康を守り、平和と民主主義を守る特別決議 

七月四日投開票で戦われた東京都議会議員選挙は、今秋にも行われる総選挙の前哨戦とされる中で、自民、公明を足した議席でさえ過半数に届かず、コロナ禍における失政に対する都民の怒りが立憲野党を前進させる結果となった。 昨年九月に発足した菅内閣は、安倍前政権を継承するとして憲法九条に「国防軍」を明記し、日本を「戦争ができる国」にしようと目論んでいる。「改定国民投票法」の成立は、改憲に拍車をかけることになり兼ねず、「改憲阻止」に向けた世論と運動を広げることが更に重要になっている。 
「政治とカネ」の問題では、「森友・加計・桜を見る会」などの問題で国民が求めている説明責任を全く果たそうとせず、新たに河井元法相をはじめ四人の自民党国会議員が辞職に追い込まれている。今年、閣議決定された二〇二一年の「経済財政と改革の基本方針」、いわゆる「骨太の方針」では、社会保障費の削減を続ける方針を示し、大企業の要求に沿った「デジタル化」、カジノ推進が掲げられている。そうした中で、七月一二日からは四度目となる「緊急事態宣言」が東京や沖縄に発令・再延長され、国民には更なる自粛と我慢を押し付け、感染リスクの拡大と命を危険に冒してまで東京五輪を強行する意義があるのか疑問の声が拡がっている。 ポストコロナの持続的な成長には、大企業を優遇する政治から国民の暮らしをなによりも優先する政治への転換が重要であり、消費税の減税・廃止、大幅な賃上げ、社会保障の拡充、医療体制や生活支援の強化が国民・労働者の願いとなっている。 来るべき総選挙では、立憲野党の躍進により菅政権を打倒し、国民が安心して暮らすことのできる政治の転換をめざして奮闘することが求められている。 この一年間、私たちを取り巻く環境は、コロナパンデミックの下で大きく変化した。JR各社では、移動の自粛・制限が経営収支に大きな影響を与える一方、「アフターコロナ」「ウィズコロナ」を見据えたJR各社の合理化・効率化施策は、新型コロナウイルス感染症による影響を理由に加速されると容易に見ることができる。しかし、私たちはエッセンシャルワーカーと位置付けられた労働者として、感染リスクに晒されながら、利用者・国民の安全を守る使命を果たし、医療に従事する仲間たちはコロナ禍の最前線で生命と向き合っている。 
国労は、国民の生命と財産を守る立場から、現状を看過することはできない。菅政権の国民不在の暴走政治を許さず、今こそ、結成から七五年の歴史と伝統、経験と実績を基に、働く者の雇用と権利、国民の生命と健康を守り、平和と民主主義を守り抜く闘いを一層強化していくものである。
 右、決議する。
 二〇二一年七月一六日
 国鉄労働組合第九〇回定期全国大会