合図燈・2023年度(2024年)3月号
国鉄最後の採用者として保線一筋に41年間務めた。国鉄改革で揺れるJR発足前に北海道から千葉に広域異動で着任した。列車が約2時間に1本の下級線と違い、高架橋に3~5分間隔で電車が走るのを見て驚いた。幾多の困難を乗り越え業務スキルを付けたが、ベテラン社員の大量退職期に「技術継承の為にJR本体に残ってほしい」と現場長に言われたが結局は「原則出向」という理由で残れなかった。JR東日本は「JR採用の新社長が就任する」と発表し「世代交代の機運が高まった」と説明しているが現場はどうだろうか?中核を担う50代のJR社員が極端に少ないばかりか、電力などの設備部門の死傷事故が相次ぎ運行トラブルも頻繁に発生している。「技術継承が滞りがちではないか」と思いながら私自身、出向職場でエルダー社員として保線業務とは違う仕事を四苦八苦しながら奮闘している。(福)