団交情報 №805<国労千交第4号>営業関係諸施策

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営業関係諸施策に対する申し入れ団体交渉

申入日:2021.1.15
団交日:2021.1.28

【浅草橋駅、両国駅、亀戸駅について】

1.浅草橋駅及び両国駅のみどりの窓口閉鎖は、サービス低下はもとより交通弱者に対して公共交通機関としての責務を放棄するものである。また、近隣駅の業務負担増にもなることから撤回すること。

2.両国駅東口は、直ぐに駅員と話せる環境になっているので日中の案内は多い。また亀戸駅東口は、近隣の商業施設跡地に高層マンションの建設予定もあり多客対応が想定されるので無人化は撤回すること。

【文書回答】効率的な業務執行体制の構築を目的とし、お客様のご利用状況等を踏まえ、駅体制の見直しを実施することとした。なお、本施策を撤回する考えはない。

(組合)浅草橋について、コロナ禍でも通勤時間帯にはそれなりに利用がある。営業時間短縮でお客さまが集中する時間帯もある。みどりの窓口廃止により秋葉原・錦糸町駅に行ってもらうことになりサービスの低下と考える。近隣駅の負担増となっている。会社は見守り活動の強化と言いながら一方で窓口を閉鎖し見守る人がいなくなる。言っている事と逆行している。これ以上窓口を閉鎖することは出来ない。

(会社)各箇所に社員を配置するのがサービスとしては一番望ましいと認識している。大量退職者を迎え、採用者の減少が見込まれるなかで業務執行体制の構築が近々の課題となる。限られた人をいかに効率よく活用していくかと考え窓口閉鎖、機械に頼れるものは機械に頼っていく方法を選択。お客さまのご利用状況(発券枚数・発券内容・拠点駅等)で優先順位をつけて窓口の閉鎖をしていく。

(組合)何かあっても駅に人がいない状態になる。お客さまから不安だとの声も聞く。

(会社)社内の要員状況を見れば立たせる人がいなくなる状況が近い将来やってくる。その為にはどうするのかと言う事での施策である。ご理解を頂くしかない。ここ3~4年が勝負になる。

(組合)要員の減はないのか。

(会社)今回の施策での要員削減はない。

(組合)窓口を閉鎖し新しい券売機を設置するのか。

(会社)根本的に機器類を設置しいていくのは大切な施策だと思っているが、ウエブ等で駅に行かなくても切符が買えるようにしていきたい。窓口を閉鎖し指定席券売機を設置するとはならない。

(組合)切符の発行枚数について、浅草橋駅270枚、両国260枚との説明だが、千葉以西で両駅より発行枚数の少ない駅はあるのか。

(会社)新木場駅170枚。

(組合)スイカ専用窓口の基準は何か。

(会社)スイカのご利用状況などを見極めたうえでスイカ専用窓口を検討している。

(組合)東口無人化についてはJRからJESSに要請したのではないか

(会社)相談はしたが判断はJESSが行った。

(組合)社員が減少するというがJESSにはエルダー社員含め人はいるはずだ。急いで要員を削る状況にはない。

(会社)近い将来足りなくなる。2023年までが勝負と考えている。JESSも同じ時間軸を持っている。

(組合)千葉以西では要員を配置するだけの体力は会社にあるはずだ。今回の無人化は経費削減のためにJRが指導を行っているのではないのか。

(会社)違う。コストを管理する上で業務体制を見直さなければいけないという事はグループ会社それぞれが認識しているところである。

(組合)これからエルダー社員が減少する。必要な要員を確保するためにプロパー社員の採用を増やすようJESSに要請するべきだ。

(会社)JESS支店との打ち合わせの場で採用に力を入れてもらいたいと話をしている。採用に向けて加速をしているとの話を聞いている。

3.亀戸駅東口、両国駅東口を終日遠隔操作するにあたって、浅草橋駅の設備及び要員配置について説明すること。

【文書回答】現在のところ、使用する機器類については、現行設備で対応することとなる。なお、業務執行体制については、業務委託会社にて定めることとなる。

(組合)東口無人化に伴い遠隔用カメラの増設はあるのか。

(会社)現行設備で対応できる。設備を追加する計画はない。

(組合)浅草橋駅で制御するために機器を集約した設備を作る計画はあるのか。そこに配置する要員は専門職となるのか。

(会社)基本的には一人投入してもらう。改札兼用をはがしてお客様対応にあてると聞いている。

(組合)早朝など社員対応が必要な場合起こしていたが無配置後はどうなるのか。

(会社)改札本体の社員が対応することになる。

(組合)両国駅の要員はどうなるのか。

(会社)東口券売機の締め切り業務等にあたる。業務の運用は現場で判断してもらう。

(組合)決められた業務量が少ない。行く行くは要員を削減するのか。

(会社)本施策に伴っての要員削減はない。

4.施策実施に伴い社員の異動を行う場合は本人希望を 尊重すること

【文書回答】社員の異動については、任用の基準に則り取り扱っているところである。

(組合)今回の施策で社員の異動はあるのか。社員の希望は把握しているのか。異動にあたっては本人の希望を尊重すること。

(会社)希望についてはJESSで確認を行っている。異動にあたっては本人と相談したうえで行う。

(組合)管区と社員とのコミュニケーションが取れていない。相談できる雰囲気が出来ていない。

5.両国駅東口及び亀戸駅東口の券売機について、取り換え計画があれば説明すること。

【文書回答】各駅の販売体制については、お客様のご利用状況等を勘案し、決定していく考えである。

(組合)今の券売機で支障があるのか。取り換える際は手間のかからない券売機にすること。取り換え時期はいつ頃か。

(会社)券売機が古いということもある。話せる券売機のような機能は無いが呼び出しの少ない物にしたい。コロナ禍の影響で時期は未定である。

6.年度末に向けて、年休を失効させないよう周知徹底を図ること。

【文書回答】業務執行体制については、業務委託会社にて定めることとなる。

(組合)年休が流れそうな社員について把握は出来ているのか。

(会社)常に把握しているわけではない。

(組合)出向社員の年休が年度末で流れることの無いようJESSに要請等しているのか。

(会社)各会社で取り組んでいることと認識している。法改正による年休5日間の付与についはJESSに知らせている。

(組合)若年出向者の保存年休はカウントされるのか。

(会社)カウントされる。本体に戻って来た時の職場に引き継がれる。

【笹川駅無人化等について】

1.無人化は公共交通としての使命、お客様の安全や利便性、地方の活性化等に多大な影響をおよぼすので、現行体制とすること。

2. 無人化後、外部委託を考えているのか明らかにすること。

3. 無人化を検討する上での乗車人員や収入、車いす対応件数等、基準を明らかにすること。

【文書回答】効率的な業務執行体制の構築を目的とし、お客様のご利用状況等を踏まえ、駅体制の見直しを実施することとした。なお、本施策を撤回する考えはない。

(組合)お客さまの声に全く耳を傾けない施策だと思う。前回の潮来駅のようにJRは撤退するが自治体でやるのだったらどうぞという投げかけはしているのか。

(会社)そういう方法もありますよという話はした。前向きに検討していきたいのでもう少し話を聞きたいという段階には至らなかった。

(組合)笹川の売り上げはどの位か。

(会社)まだ集計ができていない。

(組合)「これ位しかないからしようがない」という自治体への説明はしたのか。

(会社)ご利用状況は説明している。交流人口を増やすことは取り組んでいるが、地元の方々にも取り組みをお願いしたい。列車を増やしてという声もよく聞くが、町に来ていただく取り組みを自治体でもやっていただきたい。一緒にやれることがあればJRも協力したい。

(組合)無人化を検討する上での基準は。

(会社)乗車人員、周辺施設、車いす対応、働いている人の状況など総合的に見ている。駅の活用も行政に相談しているが、返ってこない。

4.成田線千葉・銚子間は、上下線で成田乗り換えが多い。特に下りは8時台から16時台まで成田乗り換えである。利便性を考え直通運転をすること。

5.千葉・銚子間のお直通運転において、成田駅で接続やN‘EX退避による停車が多く、469M(千葉発8:11)が16分、471M(千葉発19:05)が25分、1473M(千葉発19:36)が19分、452M(銚子発14:05)が17分停車する。特に下り通勤時間帯のお客さまからの改善要望があるので見直すこと。

【文書回答】列車ダイヤについてはお客さまのご利用状況に合わせた列車時刻の設定、各駅における列車接続等、様々な要素を考慮しながら作成しているところである。

(組合)佐原、小見川方面から千葉に通っている人が多い。成田で10分、20分なぜ待つのかというご意見を頂く。成田線ダイヤの基本スタンスはあるのか。 

(会社)成田駅の特情は、我孫子線や空港線など色々な線区の接続点。接続ということを鑑みて列車設定している。お客さまから10分を超える停車というご意見は伺っているが、基本的に東京・千葉方面から来る快速との接続、我孫子線との接続を鑑みてこのような列車ダイヤの設定をしている。成田駅を接続の駅という考え方で設定している。

(組合)今度のダイヤ改正では見直しされるのか

(会社)案だと現行471Mと1473Mという10分を超える停車時間の列車があるが、1473Mは佐原行きだったが成田行きになる。471Mは佐原まで行くお客さまを救済する。471Mの停車時間は伸びるが、10分を超える停車時間の列車は減る。

改正後は各駅から要望事項も聞いている。改善できるものは改善していく。

6.成田・銚子間は、15駅中、隔日交代勤務駅が3駅、長日勤(10-2等)2駅、日勤(7H-1)3駅、無人駅7駅。内、みどりの窓口は4駅のみである。8割が日勤駅や無人駅であり、通勤、通学時間帯の乗車券購入やICカードチャージ、遺失物捜査等、フルに対応できるのは隔日交代の3駅だけである。お客さまの利便性が著しく損なわれている。利便性の向上等、展望を明らかにすること。

【文書回答】各駅の体制については、お客さまのご利用状況等を勘案して決定してきたところであり、引き続き、お客さまのご利用状況等を注視しながら、必要な環境整備等を実施していく考えである。

(組合)笹川のお客さまが指定券を買いに行く場合、どこまで認めるのか。佐原か、銚子か、どこでも良いのか。また指定券を買いに行ったが満席だった場合、無賃で往復させるサービスもあるのか。 

(会社)求める商品が無く、帰ってくる場合どうするのか。確認する。

(組合)浅草橋と両国のみどりの窓口が廃止となっての乗車票の範囲は秋葉原と錦糸町か。

(会社)そうだ。

(組合)笹川・日向・滑川・下総松崎では社員用トイレが無い。新型コロナ感染防止の観点からも社員トイレの設置をすること。日向・滑川・新木では
喫煙ブースが設置されていない。設置計画はあるのか。

(会社)設備の整備についてはJESSと打ち合わせは行っている。優先順位をつけて進めていく。喫煙ブースについては法律に則って対策を行っている。3駅については調べてみる。

(組合)具体的な設置予定は。

(会社)コロナ禍で設備投資のコスト削減が求められている。トイレ設置のタイミングも必然的にスピードが鈍ってくるかと思う。トイレの在り方について検討する時期に来ているのかなと思う。

(組合) 次年度、本社からの設備投資予算は削られるのか。

(会社)そう思われる。

(組合)以前にも言ったが、新茂原駅はいまだに社員用トイレが設置されていない。現場の声に答えることが必要だ。優先順位という言い方がされるが、この間要求しているが一向に改善されない。だから何度でも言わざる得ない。せめて1年に1つでも改善を見せてほしい。

(会社)理解するが、なかなかうまくいかない。

あとがき

この間みどりの窓口の縮小や営業時間の短縮、委託化の拡大など毎年提案され、実施されている。会社は「人がいない」「これから増々大変になるから今から準備する必要がある」と言うが、採用しないから人がいない。必要ないから採用しないである。委託駅も増えているが、エルダーがいる今でさえ無人化・無配置化が拡大している状況で、エルダー出向がいなくなればさらに無人化が拡大するのは必至である。支社はJESSに対して採用数の拡大を強く指導すべきである。
 コロナ禍により、みどりの窓口の営業時間がさらに短縮している。千葉以西は9時から18時である。先日支社からコロナ収束後もこの時間で営業する。と連絡があった。当面は要員変更や勤務変更は行わないとのこと。しかしこれでは泊り勤務でなくても長日勤で回ることになる。当然会社はそれを見込んでの対応であろう。
お客さま第一を掲げるJRの販売体制を機械とモバイルに置き換え、人による販売の更なる縮小をめざしている。『機械に置き換えられるものは機械に任せる』とも発言している。一方で「生活・サービス」事業を新たに展開し、減少するであろう鉄道事業収入と生活・サービス事業収入の割合を同じ位にすると発表している。
 ワンマン運転の拡大・自動運転に向けた実験も行われている。全てはお客様のためにと働いてきたと思う。先日とある会議でJR北海道ではここ数年100人を超す若年の退職が出ている。将来への希望が持てないが退職の理由だそうだ。現場では技術継承も出来ず困っていると発言されている。東日本はどうだろう。東日本においても以前より退職する人が増えている感がある。これを会社はどの様に分析するのだろう。
「変革2027」では社員の幸福が語られている。本当に幸わせになれるのか。館山市議会で「ワンマン運転」について住民や利用者に説明を行い、安全性が確認されるまで導入しないことを求める意見書が全会一致で可決された。地域の発展も謳っているが、この様な事態も起きている。