中央本部は、JR貨物・夏季手当(第2回交渉)収入動向について説明を受ける
国労本部電送№219発信日2021年 6月 3日貨物会社 <団体交渉速報>から掲載
昨年のコロナウイルス感染の反動により輸送量・収入は前年を上回る!
感染の危機の下、日夜、奮闘する社員へ還元するべきである!
本部は、本日(6月3日)、「2021年度夏季手当の支払いに関する申し入れ」(国労闘申第13号)について収入動向(4月分)および営業日報(6月2日)の説明を受け、改めて協議を行なった。
【収入動向について】
1. 収入動向について
コンテナは、新型コロナウイルス感染症に伴う影響を大きく受けて国内需要が低迷し、食料工業品・農産品・青果物、化学工業品を中心に計画を下回った。特に外食産業向けの需要減により、清涼飲料水やビ-ル類、全国各地発の民間流通米等が計画を下回った。結果、コンテナ全体では計画比の93.4%となった。 車扱は、4 月の気温が高く推移したことから、灯油が原因はと発送減となったほか、セメントが低調となった。車扱全体では計画比91.2%となった。コンテナ・車扱の合計では、計画比93.2%となった。
【以下、やりとり】
(組合)昨年から現在にかけて新型コロナ感染症の影響を受け、2019年度と比較しても90%程度となっており、昨年との比較では、今年度もまだまだとの見解であるが、年間累計や前後の推移は対前年をクリア-している。原因は「コロナ」とはっきりしているが、営業から見た先行きの見通しはどのようなものか。
(会社)7月に計画改定を行う事となるが、この先どうなるのか読み方が難しい。コロナにへ関してはワクチン接種がかなり有効であり、来年2月を目途にワクチン接種を行き渡らせるとの報道もある事から、コロナの影響が減少するのは年度末ではないかと考えている。計画について落ち込みはあるものの、少しずつ回復して2019年度実績程度までもっていきたい。
(組合)昨年も、年度末には計画ベースに戻したいとの見方をしていたが、旅客会社は「コロナ前に戻らない」とも言われている事をみても貨物会社はそこまでではないと考える。環境さえ元に戻ればそこまでひどい状況ではないと考えるが、会社はどのように見ているのか。
(会社)コロナの影響については未だ大きいものがあるが、トラックドライバ-不足は間違いなく、規制強化も2024年に行われる。また脱炭素社会を目指しており、貨物鉄道として顧客をどこまでとらまえていけるのかが重要である。
昨年も12月で△2%まで回復しており、2019年度並みという目標は無理な数字ではなかった。しかし、コロナによる緊急事態宣言などで低迷したことが大きく、ここからどうなるのか先行きを見ていくことが難しい。
(組合)積み合わせ貨物についてはどうか。
(会社)堅調に推移している。
(組合)輸送量が安定していないという状況の中で、他のモ-ドに移行した企業などないのか。
(会社)物流量としては船・飛行機も同様に悩んでおり、貨物鉄道だけが一人負けとはなっていない。
(組合)オリンピックが開催された場合、ダイヤ設定も含め、列車体系など変更等は発生するのか。
(会社)総務部を中心に、様々検討を重ねているが、国からも指示は落ちていない。情報収集も強めているがまだ明らかになっていないのが現状である。
(組合)国をどう動かすのかも会社次第だが、旅客会社では人流も制限の中で大きく環境も変わってくるが、計画そのものは新型コロナ感染症が終焉後を基本のベ-スとしているのか。
(会社)昨年12月には2019年度実績にかなり肉薄しており、3月ぐらいで戻ると想定したが直前でコロナの影響が出ている。
(組合)貨物鉄道の排出量は、トンキロベ-スでトラックの1/13となっており、過去の1/8という時代と比較して物流界で貨物鉄道のメリットが生かし切れていない。これだけ環境やメリットがあるのに伸びていないのはどのような理由と考えるのか。
(会社)環境面では有利と考えるが、多くの顧客にすると最終的な判断の材料は、コストとなっている。コストが上昇してまで使って頂けるのかは、当該の会社次第である。CO2排出量だけで比較することは難しい。
(組合)コストの部分で貨物鉄道はそれほどマイナスとなるのか。
(会社)現状トラックは余っており、トラックを遊ばせるぐらいならドライバ-不足の傾向はあっても外食産業を中心に低価格で契約が行われている。トラック業界は2024年度の規制など、労働時間も規制される中でコスト上昇の要因となる。鉄道もコストで負けない勝負はできると考えている。
(組合)計画は2019年度の実績がベースとなっており、2019年度の実績に戻す事が前提との理解となるのか。
(会社)そうである。
(組合)自動車部品の121.4%への増についてどのよう見ればよいのか。
(会社)昨年4~6月までは工場もストッフするなど半減していた。自動車部品は半導体が足りないのが現状で、トヨタも最後まで調達されていたがかなり減ってきており、そこと比較した数字ととらえてもらいたい。
【第2回交渉】
(組合)収入動向について、「コロナ」の影響を受けているのは事実であるが、昨年よりは回復傾向にある。原因は「コロナ」の影響であり、それを踏まえて会社は現時点で示せるものはあるか。
(会社)社内では、現在の収入の現状を踏まえ、7月計画改訂を検討中であり、夏季手当について社内で議論を進めている。組合の趣旨説明の内容も経営陣に伝えている。
(組合)7月計画改定は下方修正と見えるが、計画達成の為に夏季手当で社員犠牲を求める従来の手法は認められない。現状は、11年連続で黒字を達成しながら社員の生活はわきに置かれて来た。2020年度は黒字決算であり、コロナの状況だからこそ社員へ投資し、今こそ社員の期待に応えるべきである。
(会社)社員の期待も含めて社内で議論していきたい。
(組合)職場では、コロナ疲れでモチベーションも下がっており、事象や労災も増えている。また、人事制度導入により、家族手当が基準外賃金となったことで減収している。期末手当は生活給であり、生活給の原則からすれば家族手当は基準内賃金にするべき性格である。この間の業績を還元するべきである。
(会社)期末手当は業績の反映であると考えている。
(組合)業績の反映というが、この間の支給ベースの実態を見れば、業績を反映してきたことがあったか。
(会社)それを踏まえて議論を進めていきたい。
(組合)今後10年で4000得億円の設備投資をするとしており、年間で言えば400億円ほどしていくことになる。そのことからも社員に投資し、国労要求である3.0ヶ月を支給し、生活を改善させていくことを求めておく。
以 上