団交情報No807・CTS「2021年度新賃金改善要求」について回答を示す!

  • 申入日:2021.2.24(国労千申第1号)
  • 団交日:1回目2021.2.24 (組合主旨説明)
  •     2回目2021.3.30 (会社決算概要等説明)
  •     3回目2021.4.9 (会社回答)

CTS「2021年度新賃金等改善要求」について回答を示す!

千葉鉄道サービス(以下CTS)に対する「2021年度新賃金等改善要求」について、コロナ禍で感染も拡大しつつある中エッセンシャルワーカーとして業務に取り組んでいる社員・家族の要求に応えるよう2月24日申し入れ、主旨説明を行った。


(組合側からは)

 国労として物価上昇及び生活改善として1.87%相当の5000円のベースアップ。パート・アルバイトの時給アップ。コロナ禍での作業における特別手当30000円などを要求。CTSの労働だけで生計が成り立つ賃金、優秀な人材の確保のためにも賃上げは必要。また休日の問題や半休、保存休暇の創設、福利厚生・労働条件の改善を強く訴えた。
2回目は会社から決算概要が説明され、営業収益は吊革の消毒等のコロナ対策関係で受託収入が増加したが、コインロッカー収入の落ち込みで減収。営業費用は福利厚生等で人件費が増加したが、コインロッカー配置の見直し等で役務費を抑えた結果、減収増益の見込みと回答。組合からは会社の努力は認めつつも、人材確保のためにも賃金・労働条件の改善が重要。JRに対し国労からも要求していくので、CTSからも働きかける共闘の取り組みも提起した。

【組合要求1~5、12】

1. 2021年4月1日以降の基本給を定期昇給とは別に5000円(物価上昇分・生活改善分)引き上げること。
2.  2021年4月1日の定期昇給を4号俸とすること。
3. 契約社員についても社員に準じて引き上げること
4. パート・アルバイト社員の時給を50円増額、時給最低額を1200円とすること。
5. 各社員の初任給(採用給)を2000円引き上げること
12. 賃金に対する回答は、3月18日までにすること。              
【文書回答】
2021年度新賃金等については回答書のとおりである。

【組合要求項目6】


6.新型コロナ感染が蔓延する中、昼夜にわたり安全安定輸送を下支えしていることに対して一律30000円の特別手当を支給すること。
【文書回答】
これまでも必要により社員の労働条件の改善を図ってきたところであり、今後も会社の経営状況等を勘案し検討していく考えである。

【組合要求項目7】


7.扶養手当の支給対象者の範囲(60歳以上の父母や重度心身障害者等)を拡大し、支給額は扶養対象者の合計額とすること。
【文書回答】
扶養手当については、2021年4月1日付で実施した「就業規則の一部改正」により見直し、「子供手当」を新設することとなる。


【組合要求項目8】

8.第3種労働時間制適用者の特別休日日数を62日とすること。

【文書回答】
現行制度で対応することとなる。

【組合要求項目9】

9.就業規則第56乗の半休使用の制限を見直すこと。

【文書回答】
半休制度については、既に第1種労働時間制を適用する本社勤務者に適用しているところであり、現業機関においても社員の生活状況に応じた柔軟な有給休暇の取得を可能とし、働きやすさの向上を図ること等を目的に導入したところである。なお、現業機関の半休制度については、1日の労働時間が7時間30分でかつ終業時刻が18時までのいわゆる日勤(ただし、代務者が必要な場合等を除く)を対象に行うものである。

【組合要求項目10】

10.保存休暇制度を新設すること。

【文書回答】
保存休暇制度の新設については、2021年4月1日付に実施した「就業規則等の一部改正」により導入したところである。

【組合要求項目11】


11. 2021年1月1日現在の各諸元を各社員別・事業所ごとに明らかにすること。
【文書回答】
社員211名、嘱託社員32名、契約社員278名、パート社員112名となる。

【会社回答書からの抜粋】

新型コロナウィルス感染症が1年以上も続いている状況において、社員の皆さんにおかれましては、日々感染症への不安と緊張の中で、安全の確保を基軸とした良質な輸送商品の提供、綺麗な駅舎・車両の提供及び、コインロッカーの利便性向上など、サービス品質のレベルアップにご尽力いただいたほか、消毒作業や車両の窓開閉などに取り組んでいることに、深く感謝申し上げます。
 2020年度の業績を示す通期決算は、営業損益で減収増収となる見込みです。営業収益は車両清掃、駅舎清掃及び構内入換の契約更改等による収入増もありましたが、駅構内等におけるコインロッカー収入の大幅減収により約37億5100万で対前期比約97.9%となりました。一方営業費用は、社員の待遇改善による人件費の増加、新型コロナウィルス感染防止対策のために出張・研修等を取りやめた影響もあり、約37億2400万円で、対前期比97.7%となりました。この結果、営業利益は約2700万円で、対前期比約160.2%となる見込みです。
JR東日本グループにおける2020年度通期業績については、JR東日本単体で△5080億円という過去にない赤字決算が見込まれており、2021年度も厳しい経営状況にあります。当社においても駅舎ゴミ箱・灰皿撤去及び3月ダイヤ改正による業務量の変動等の施策をJR東日本とともに実施した影響もあり、さらにコインロッカー収入の回復には時間がかかる見込みであります。
今、私たちはJR東日本グループの一員として「変革2027」のスピードアップを図るべく、構造改革をはじめとした次の成長戦略を描き実現することが求められています。そのために何より大切なことは、変革の主役である社員一人ひとりが経営に対する当事者意識をもち、新たな発想から生まれる取組みに果敢にチャレンジすることです。「2021年度基本方針」は引き続き「安全」を経営の最重要課題とし、お客さまから「信頼」されるサービス品質の向上に取り組むと共に、コロナ禍の長期化による環境変化の激変に対応するべく「業務改革」「働き方改革」「職場改革」の3つの改革を中心に推し進めることとしました。今年度もお客さまへの「安心」の提供と社員・ご家族の幸福の実現に向けて、全社員が一丸となって着実に歩みを進めましょう。今後、当社の業績も厳しくなることが予想されますが、その一方で社員の皆様が当社の使命を果たすべく努力をしていること、さらには、社員一人ひとりが好奇心と向上心を持って「変革2027」の早期実現にチャレンジすることを期待し、2021年度新賃金については下記のとおり回答します。

1. 新賃金
社員(2021年4月1日在職の社員。ただし、賃金規程第12条第2項各号の定めに該当する者を除く)の職務給の昇給を実施することとし、昇給額は4号俸とする。
2. 実施日
  2021年4月1日

2020年3月1日現在諸元(役員・管理・嘱託を除く)

所 属 名  社員委託社員出向社員出向エルダー契約社員パート社員
本    社  131111
販売管理本千葉事業所
錦糸町事業部13
西船橋事業所1217
津田沼事業所  1117
津田沼事業所(運転)15
幕張事業所 351355
幕張事業所(運転車両)242938
幕張事業所 銚子派出
幕張事業所一ノ宮派出
幕張事業所 鴨川派出
幕張事業所木更津派出
稲毛事業所 
千葉事業所20195312
銚子事業所11
南船橋事業所1521
京葉事業所16
京葉事業所(運転)1811
一ノ宮事業所11
鴨川事業所28
木更津事業所17
館山事業所12
ファミリーオ10
成田事業所14
成田空港事業所1023
総   計2093258182280114

【国労要求の保存休暇が新設・子供手当も新設】

減収増益ではあるが、先行きが見通せないことから国労要求に満足な回答とはならなかった。社員に対しては定期昇給を行うが、契約社員やパート社員の賃上げはない。組合として底上げ、生活向上のために再考を求めた一方で働き方改革関連法の改正等に伴う就業規則改正があり、この間国労要求であった保存休暇が新設され、各年度2日を最大20日累積することができることになった。JRからのエルダー出向者も対象となる。また子供手当が新設され、第1子は1万円、第2子は5千円が支給される様に変更された。賃金や労働条件の地道な改善により、定着率が良くなっていると報告もされているがどの様にして人材を確保していくのか。賃金を始めとした労働条件や福利厚生が大切である。また終息の見えないコロナ感染でどう社員を守るのか。引き続き労働条件だけではなく労使として議論できる体制を大切にしていきたい旨を伝えて終えた。