国労東日本・2021年夏手当回答、妥結・整理

国鉄労働組合東日本本部業務連絡報 2021年 6月10日 第1580号より掲載

JR東日本が夏季手当回答を示す 2.0ヶ月、6月29日(火)支払い本日、「2021年度夏季手当に関する要求についての申し入れ」(国労東日本 申第18号、2021年5月14日付)の第3回交渉が開催され、以下の回答が 示されました。 

国労東日本本部としては、「今回の要求は、会社を取り巻く環境や厳しい経営 状況を組合としても踏まえつつ、社員・家族の生活維持に向けたギリギリの要求 であった。第1回・第2回交渉でも主張したが、すでに会社が明らかにしている 成長投資同様に、社員・家族にも同等の投資を求めた。本日の示された回答は残 念ながら、到達していない」とし、再考を求め持ち帰り検討としました。 

回答内容は、以下の通りです。 

【社員諸元】 
支払基準額 基準内賃金×2.0ヶ月 
◆支払日 6月29日(火)以降準備でき次第
 ◆平均支給額 平均基準内賃金 330,797円  夏季手当平均支給額 661,600円
◆社員数 49,500人(5月1日現在) ◆平均年齢 39.4才 

【エルダー社員諸元】(支給基準額・支払日は社員同様) 
◆平均支給額 基礎額平均 190,274円 
◆支給額平均 380,500円
◆社員数 10,200人(5月1日現在) 
◆平均年齢 62.7才 

以上 

  国鉄労働組合東日本本部業務連絡報2021年 6月11日  第1581号より掲載

JR東日本と夏季手当、妥結整理を図る

1.国労東日本本部は5月14日、JR東日本に「2021年度夏季手当等に関する申し入れ」(国労東日本申第18号、2021年5月14日付)を提出、同時に、コロナ禍の長期化による経営への直撃の中で、春闘交渉に続き厳しい交渉が予想されることから、指示第20号(2021年5月15日付)を発信し、取り巻く諸情勢の共有化から、夏季手当に臨む国労の基本スタンスと取り組みについて明らかにし、回答が示されるまでが重要との位置付から、①東日本本部としての情報発行体制の強化、②地方からの夏季手当獲得の取り組みとして12支社への要請書の提出、と東日本本部・地方本部・地区本部一体の運動構築に向けて努力をしてきました。

2.交渉については、5月28日の第1回交渉(組合趣旨説明)、6月3日には第2回交渉(会社現状認識)、昨日の第3回交渉にて回答が示されました。

回答にあたって会社は、「現在の経営状況を踏まえれば非常に厳しい判断にならざるを得ないが、一方で、当社の社会的使命の遂行のために、社員一人ひとりが職責にひたむきに尽力していることを重く受け止め」として、「2,0ヶ月分」とする回答を行ってきました。

国労としては、「社員のやる気、安心感に応える会社のメッセージとしては不十分」、「コロナ禍の中、歯を食いしばって業務遂行している社員の頑張りに応えていない」、「職場では離職者も出ている。人材の流出を食い止めるためにも再考を求める」、「コロナ以前に生活設計を組んでいる社員は、住宅ローンなどの支払いに悩んでいる」等と、繰り返し再考を求めました。

また、例年の翌日正午の回答期限についても、見直しを求めましたが、「支払い日からの逆算をしてのシステム上の理由から困難」である旨が示され、こうした中で、国労としては、「成長投資同様に求めた国労要求に到達していない」として、席上抗議し持ち帰り検討としました。

3.今期の夏季手当交渉においても、JR東日本においては社員の多く(約4万名)が組合未加入の中で迎え、且つ、失われた労働組合への信頼獲得に向け、労働組合だから出来る取り組みとしての宣伝をする中から理解を得、組合未加入者の不安・不満な気持ち・声の代弁者としての交渉強化が求められました。

また、新賃金回答においての一部「社友会」が行ったコメントでは、「業績の復活と更なる成長に向け、ともに歩む期待を込めたもの」と、どの様な回答が出ても評価する姿勢を示し、社員の思いとは乖離していると言わざるを得ない宣伝を行っています。その中で、一部職場の取組みとなりましたが、緊急アンケートを取り組み、社員の実態や切実な「声」を集約し、「ダイジェスト」版にて明らかにすると共に、「社友会」情報とは違う社員の声を会社に訴えてきました。

4.今後も会社は、聖域なき「コスト削減」、構造改革に向けた施策を進めてくることは必至であり、職場にある不平・不満の集約、置かれた状況下で出来ることの実践から、引き続き、各地方・職場から、「労働組合」の必要性を訴え、組織強化・拡大に向けた運動の強化を図ることとします。

5.持ち帰り検討としていた夏季手当回答の扱いについては、他労組が先行妥結した中での会社の「最終回答」であることを踏まえ、社員・家族の生活に配慮することを考慮し、中央本部とも相談の上、回答期限である本日12時をもって妥結・整理することとします。

JR東日本との夏季手当交渉は整理をみますが、新型コロナウイルス感染防止対策やワクチン接種など、社員が安全に安心して働ける労働環境・労働条件改善を会社に求めて行きます。

また、JRの各グループではこれから夏季手当交渉の山場を迎える会社も多くあり、引き続き、要求獲得の取り組みから、私たちの喫緊の課題である組織の強化・拡大に向け奮闘する決意です。

以上